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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:20:57.16 ID:5FfxWGj90
梨子「……あのね、私、ピアノやってるでしょ?」

梨子「小さい頃から、ずーっと続けてたんだけど。最近、いくらやっても上達しなくて、やる気も出なくて」

梨子「それで、環境を変えてみようって。海の音を聴ければ、何かが変わるのかなって……」

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:25:21.73 ID:5FfxWGj90
ザザーン


梨子「……ふぅ」

梨子「ダメだ」

梨子「残念だけど……」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:25:57.54 ID:5FfxWGj90
梨子「うーん」

梨子「どうすればいいの?」

梨子「……」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:26:27.11 ID:5FfxWGj90
梨子「イメージ!!?」

梨子「イメージだ!!!!」

梨子「水中では、人間の耳には音は届きにくい。ただ、景色は砂浜とは大違い」

梨子「見えてるものからイメージすることはできるはず」

梨子「想像力を働かせてみるかな」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:27:26.27 ID:5FfxWGj90
ヌギヌギ



梨子「っ……たああああああ!!!」






ザッパーン

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:28:30.32 ID:5FfxWGj90
ーーー
ーー

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:29:24.51 ID:5FfxWGj90
梨子「どこまでいっても真っ暗」

梨子「深みに入れば入るほど深淵に引き込まれる」

梨子「……」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:30:21.21 ID:5FfxWGj90
梨子「そうか、上!」



梨子「!」

梨子「……!!」

梨子「聴こえた!」キラキラ

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:31:32.32 ID:5FfxWGj90



ヌルァ






梨子「……え?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:32:41.55 ID:5FfxWGj90
ーーー
ーー






チュンチュン

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:40:00.20 ID:5FfxWGj90
それから数ヶ月後の夏のテレビ「過疎村の少女の水難事故か?人魚姫の呪いか!!?」とのテロップで
この事件はオカルト特集として放送された。

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/31(金) 19:41:09.10 ID:5FfxWGj90
その放送を見た時、四月の海に入ろうとする無謀な少女を何故か想い出した。
季節外れの海と戯れるのは自殺行為に等しいからだ。
だから「気の所為」と、そんな少女はいなかったんだと心の中でずっと繰り返していた。

ただ不思議な事に砂浜に私の大好きなμ’sの音ノ木坂の制服が残されていた。
あの制服を私が見間違える訳がない。

スクールアイドル部を作ろうと決心したからスクールアイドルの神様が羽を届けてくれた。
そう都合のよいように解釈していた。

今となってはその部活も廃部に。
身の丈に合わない夢は私を現実に引き戻す。

「じゃあシをちょうだい?」

もしも、もしもあの時。
留まりかけた足の楔を振り払って、あの少女を抱きとめていたらどうなっていたのだろうか?
そんな妄想が頭をよぎる。

だがしかし私は何も見ていないし、少女もいなかった。
それでいいのだ。

こうして私は今日も普通に奇跡を夢見ている。